
テストの成果を最大化する学習計画術:「1日1科目」勉強法の落とし穴と、脳科学に基づいた解決策
2025年10月08日 09:16
定期テストが近づくと、多くの生徒さんが学習計画を立てて勉強に取り組み始めます。
その際、次のような計画を立ててはいないでしょうか。
「月曜日は数学、火曜日は英語、というように、一日一つの科目に集中して取り組む」
一見、効率的に見えるこの計画ですが、実は学習効果の観点から見ると、いくつかの注意すべき点が存在します。
この記事では、その「1日1科目」学習法の非効率性と、より成果につながる具体的な学習計画の立て方について、分かりやすく解説いたします。
■「1日1科目」学習が非効率である3つの理由
熱心な学習努力が、必ずしも最大限の成果に結びつかないのは、非常にもったいないことです。
「1日1科目」という学習スタイルには、主に以下の3つの非効率な点が含まれています。
1.記憶の定着率が低下する
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」によれば、人の脳は一度学習しただけの内容を、時間の経過と共に急速に忘れてしまう性質があります。
例えば、月曜日に暗記した理科の重要事項を、次に復習するのが5日後の土曜日だった場合、その多くを忘れてしまっている可能性が高いのです。
結果として、思い出す作業に多くの時間を費やすことになり、学習の非効率化を招きます。
2.集中力の持続が困難になる
長時間、同じ科目だけに取り組むことは、大人でも難しいものです。
特に、苦手意識のある科目であればなおさら、思考の切り替えが行われずに脳が疲弊し、集中力は徐々に低下していきます。
集中が途切れた状態で学習を続けても、その効果は限定的です。
3.計画の遅延が全体に影響を及ぼしやすい
「今日は数学を10ページ進める」といった計画は、想定外の難問に時間を要したり、急な予定が入ったりすることで、容易に崩れてしまいます。
一つの科目に遅れが生じると、その後の計画全体に影響が及び、「計画倒れ」となって学習意欲そのものを削いでしまうリスクも少なくありません。
■解決策:脳の仕組みを活かす「分散学習」
では、どのような学習法が効果的なのでしょうか。
その答えは「毎日、複数の科目に短時間ずつ触れる」という学習法、すなわち「分散学習」にあります。
毎日、少しずつでも各科目に触れることで、脳はそれらの情報を「繰り返し使う重要な情報」と認識し、忘れにくい長期記憶として定着させやすくなります。
これは、脳の仕組みを上手く活用した、科学的にも推奨される学習法です。
【実践編】成果を出すための学習計画 3ステップ
具体的な計画の立て方をご紹介します。
ステップ1:学習可能な時間を正確に把握する
まず、平日と休日それぞれで、学習に充てられる実質的な時間を算出します。無理のない、継続可能な時間を見積もることが重要です。
(例)平日:2時間(120分)、休日:4時間(240分)
ステップ2:「30分」を1単位(コマ)として区切る
人間の集中力を持続させやすいとされる「30分」を一つの学習単位とします。時間を区切ることで、メリハリが生まれ、集中力を維持しやすくなります。
(例)平日2時間 → 30分 × 4コマ
(例)休日4時間 → 30分 × 8コマ
ステップ3:各コマに学習内容を割り振る
算出したコマに、学習する科目を割り振ります。このとき、思考力を要する科目(数学、英語長文など)と、暗記が中心の科目(英単語、理科・社会の用語など)を交互に配置すると、脳の違う部分が刺激され、より集中力が持続しやすくなります。
<平日2時間(4コマ)の計画例>
1コマ目 (30分): 数学の演習問題(塾の宿題)
2コマ目 (30分): 英単語・漢字の暗記
3コマ目 (30分): 理科のワーク(提出物)
4コマ目 (30分): 社会の教科書の復習(音読など)
このように、「塾の宿題」や「提出物」も計画に含めることで、日々の学習を効率的に、かつ着実に進めることができます。
■まとめ
今回の要点はこちらの通りです。
「1日1科目」学習は、忘却しやすく、集中力が途切れ、計画が崩れやすいという非効率な点があります。
「毎日、複数科目」に短時間ずつ取り組む「分散学習」が、記憶の定着と学習効率の向上に繋がります。
「30分単位」で時間を区切り、思考系と暗記系を組み合わせることで、具体的な学習計画を立てることができます。
とはいえ、ご自身やお子様に最適な学習計画をゼロから立て、それを管理・実行していくのは簡単なことではありません。
「うちの子に合った計画の立て方が分からない」
「科目ごとの時間配分はどうすれば良いのだろうか」
もしこのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、私たちSTEP教育学館にご相談ください。
当塾では、一人ひとりの学力や目標、生活スタイルに合わせて、最適な学習計画の立案から実行までを丁寧にサポートいたします。
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